2018年度の報酬改定について
厚生労働省が2018年にサービスの質を向上させる目的で大幅な制度改正を行いました。その背景には2012年の新制度発足後から事業所や利用者が大幅に増加した一方で、営利目的を優先する事業所やDVDだけを見せるだけなどのずさんな運営を行っている事業所が増えてきたことが大きな理由のひとつに挙げられました。
改定前の放課後等デイサービスの事業所への報酬は9割あったため、安定した経営をすることができていましたが、営利目的に走る事業者やずさんな運営を行っている事業所が増えたことで、本来の目的である教育や専門的なケアなどを怠ってしまい、利用者から不満などの声が次第に増えていきました。
元々放課後等デイサービスの開業や運営については法的な制度がなかったことから、必要な条件さえ満たせれば原則どの企業でも事業所の開設・運営を行うことができるため、比較的新規参入をしやすい市場でした。
そこで今回厚生労働省は「事業所の数を増やすだけでなく、利用者への支援の質の向上を行わいといけない」と事態を重く見て制度改正にいたりました。
今回の改正で大きなポイントになったのが「指標(区分)」で、利用者ごとにチェックシートで判断されるものです。生活上の行動や読み書き、支援が必要な度合いをなどを0~2の点数であらわすことが新設されました。
例えば、「多動・行動停止」の項目では、支援が不要か1カ月に1回以上の支援が必要であれば0点、週5日以上の支援が必要であれば2点になります。他の項目でも同様に利用者一人ひとりについて判断し、点数化されて指標へ反映されることになりました。
実際今回の制度改正によって事業所の収益部分に大きな影響を及ぼしたのいうまでもなく、健全且つ優良な運営を行っていた事業所においても、場合によってはスタッフの給与を下げなければいけないという事態になってしまったというケースもあります。